02. 歓迎会の帰り道

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 三時間コースの歓迎会が終わり、居酒屋を出たほろ酔いの社員たち。  そして二次会参加の希望者を募り「どこ行くー?」と会話をしている中、後輩の男性社員が凪に声をかけた。 「八乙女さんは二次会行きますかー?」 「いや、今日は帰るわ」 「えー珍しいですね、気をつけて帰ってください」 「はーい、お疲れ様〜」  まだまだ元気が有り余る後輩が凪に向かって手を振るので、軽く腕を上げて応える凪。  その横で、同じようなやり取りが聞こえてきた。 「えー? 主役の瀬山さん二次会行かないんですかー?」 「少し疲れたので、今日は帰ります」 「明日土曜日ですし行きましょうよー」 「すみません、次回は参加しますね」  眉を下げて謝る二次会不参加の篤人に、残念そうな女性社員たち。  参加して!というキラキラした眼差しに押されることなく、強い意志を持って帰りはじめる篤人だったが。  前方を歩く凪と同じアパートとは知らず、帰り道が被ってしまった。 「あ、八乙女さんもこっちですか?」 「……はい。というか……」 「もしかして社員寮?」 「う……そうです」  泥酔したあの日のことを、この上司は本当に何も覚えていないんだな。  そんなふうに思いながら、同じアパートに住んでいることを初めて知った篤人の驚いた表情を、呆れた心で受け止める凪。
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