狂依存

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 その翌日から私は行動を開始した。登校中、休み時間、放課後。私はひたすら杏さんの元へ向かい、杏さんに好きを伝え続けた。  いつ好きになったか、どこが好きか、どれだけ好きか、ひたすら伝え続けた。その度に杏さんは顔を真っ赤にしている。  その様子が可愛らしくて、このままでも良いような気もした。でも、この可愛い顔を独り占めするために口説き続けた。  三日が過ぎ、一週間が過ぎ、三十一日目の昼休みそしてようやく杏さんが折れた。 「わかった。一回だけ試してあげる。その一回が終わってもまだうちと付き合いたいと思うならまた考える」 「ほんと!ありがとう、杏さん!」  私は嬉しさのあまり彼女の両手を掴みピョンピョンと飛び跳ねる。これは大きなチャンスだ。たった一回の挑戦権。失敗するわけにはいかない。 「じゃあ今日の放課後空いてるか?」 「え、あ、はい!」 「そしたら3時半。3時半に『P―B』で」 「はい!」 「約束忘れないでね」  彼女は要件を伝え終えると去ってしまった。  告白した後は彼女のペースに乗せられてしまい、すぐさまOKしてしまった。だが今日の放課後ということは私に準備の時間が残されていないということだ。今日は6時間目までだが次の時間が移動教室のためいそろそろ行かないと遅れてしまう上に次の休み時間も準備に使えない。私のクラスは終礼が長い上に「P―B」ことplay roomBというplayをするための部屋は教室のある校舎から離れていて、また道のりがややこしいので放課後も時間ギリギリだ。  これはマズイ。急いで教室に戻り、奈々に相談する。先ほどのことを一から十まで説明した。すると奈々はものすごくあきれた目で見てきた。 「佳子、焦りすぎ。この状態で準備しても空回るだけだよ」  確かにそうかもしれない。一度深呼吸する。鼻から息を吸って、口から吐く。何度か繰り返せばすべきことが見えてくる。 「そうだね。今はとにかく急いで移動しなきゃ。授業に遅れちゃう」 「そうだね」  奈々とともに教室を後にする。
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