三 豚珍館の仲間

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三 豚珍館の仲間

 豚珍館で、俺と古田和志は、注文した料理をテーブルに並べる梶聖也に、今までの経緯を説明した。 「と言うことは、三田中代議士が政府へ口利して電力会社が送電網を完備する件は五年以上前から計画されてた事になるな。  新井慎司は大学時代から、三田中代議士の事務所に出入りしてた。新井慎司に収賄の罪を着せるのは、その頃から計画されてたことになる。汚ったねえ奴だが、まんまとそれに乗せられる新井慎司もクソバカだぜ。  そんなクソバカを助ける必要はあんのか?収賄容疑が確定しても、保釈されるだろうぜ」  梶聖也は新井慎司をバカにするようにそう言った。 「新井慎司を自殺に見せかけて抹殺しろという依頼が問題なんだ。奴ら、収賄の全てを新井慎司の責任にして自殺に見せかけて消し、幕引きする気だ。  新井慎司を助けるどうのじゃなくて、地元を食い物にしている三田中代議士の奴らの計画を暴露すべきだろう?  新井慎司を抹殺しなけりゃ、新井慎司と今回の依頼を知られた俺と古田が抹殺される。その前に奴らの計画を暴露するか、抹殺するかだ」  俺がそう言うと、梶聖也が、 「おいおい、過激だな・・・」  と冗談めかして言った。 「明日。まり子と晩飯をいっしょに食う予定だ。まり子から情報を得る。古田は三田中玲香から情報を得てくれ」 「了解」と古田和志。 「まり子って、大原まり子か?」  梶聖也が驚いたように訊いた。 「そうだ。三田中玲香のしりあいだろう?」 「あの南部煎餅、三田中玲香のしりあいどころか、三田中玲香の腹違いの姉妹だぞ。玲香もまり子も、三田中代議士の愛人の娘だ。親爺は三田中代議士だぞ。  まあ、食え。説明してやる」  梶聖也はそう言って姉妹の生立ちを説明した。俺たちは料理を食いながら、梶聖也の説明を聞いた。  説明が終わると梶聖也は言った。 「まり子とのデイトはここでしろ。俺が媚薬入りの特別料理を作ってやる」  そう言って梶聖也は意味ありげに笑った。
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