九 伴侶はマコ

1/1
前へ
/9ページ
次へ

九 伴侶はマコ

 正午近く。  古田和志の電話で目が覚めた。俺とマコは抱きあったままベッドで眠っていた。 「亮。TVのニュースを見ろ!玲奈が殺人未遂の現行犯で逮捕されたぞ」  俺は携帯をスピーカーモードにしてTVのリモコンでスイッチを入れた。三田中の愛人の玲奈が青酸カリ入りのジュースを新井慎司の病室に持ちこんで逮捕されたと報じている。これで三田中の収賄事件がいっきに解明される・・・。 「捕まったわね・・・」  マコが目覚めて俺に抱きついた。俺はマコを抱きしめて古田に言った。 「玲香はどうしてる?」 「母親の行動を納得してる。今、俺とベッドにいる。玲香は三田中と母親が何をしてたか知ってた・・・」  古田の言葉で、俺とマコは玲香の状況を察した。 「古田はこれから玲香をどうするんだ?」 「支えてやるよ。亮もまり子を支えるんだろう?」 「ああ、マコもここに居る。結婚することにした。古田もか?」 「そういうことだ」 「今回も、ありがとう。感謝してる。玲香にも、よろしく言っといてくれ」 「玲香は承知してる。気にするな。  では、午後、カウンセリングルームで」  通話は切れた。 「アアアッ、リヨ。ありがとう!」  俺はマコに抱きつかれた。 (了)
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加