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「少し過保護すぎるわね」とおばあちゃんは時々困ったように笑います。カホゴの意味はモタにはよくわかりませんが、おばあちゃんはモタを外に出したり、夜更かしさせたりすることを少しは許したい気持ちがあるのだと、わかりました。
ところで、モタはこのところ考えていることがありました。おばあちゃんへの誕生日プレゼントです。おばあちゃんはモタのすることはたいがい喜んでくれます。モタが大好きな洋菓子をほおばっているだけの時にも、ニコニコしながらそれを眺めているくらいです。それでもモタは一生懸命考えました。おばあちゃんに何をしてあげたら喜ぶだろうか、と。
考えた末に、おばあちゃんに素直に聞いてみることにしました。おばあちゃんがびっくりするようなプレゼントはできないけれど、モタが用意したものなら、最初からわかっているプレゼントでも喜んでくれるだろうとモタは思いました。
ある夜、モタはパジャマに着替えて、おやすみなさいの挨拶をするためにリビングへ行きました。パパとおばあちゃんがテーブルに肘をついて何か話していました。パジャマを着たモタを見て「おやすみの時間だな」とパパが言いました。おやすみのキスの前にモタはおばあちゃんに駆け寄り言いました。
「おばあちゃん、誕生日プレゼントは何がいい?」
おばあちゃんは「あら」と、もうプレゼントをもらったかのように顔を綻ばせました。
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