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冬の霜が降りた君の髪に
思わず見とれてしまう
露濡れの滴を纏う
儚げな少女は
人肌の恋を
これから知っていくのかな
誰かに恋するなら
せめて僕であって欲しい、と
身の丈に合わない
望みを抱きながら
曇りきった空の下
いつものように君を待つ
昨日笑い合っていた話も
やけに随分前のことに思えてしかたない
君が話す度にどこか
一人取り残されていく感覚に陥る
ふと目を離した隙に
知らない誰かの隣にいる君が
霞んだ景色の向こうにいた気がした
気のせいだよねなんて
思い込みたくなる
冬の霜が降りた君の髪に
思わず見とれてしまっていた
臆病な僕にはただ
見つめることで精一杯だった
露濡れの滴を纏う
儚げな少女は
人肌の恋を
知っていく
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