16話 素直なキモチ

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 ***  絡まり合ってキスをする。求め合うように、分かち合うように、何度も何度も。2人分の唾液を飲みこめば頭がくらくらとして、蕩けるような幸福に包まれる。    律希は俺の唇をついばみながら、俺の身体のあちこちに触れた。耳朶、首、鎖骨、胸、脇腹、太もも、そしてまだぴったりと閉じたままの後孔。もどかしいくらいにゆっくりと、俺の身体を慣らしていく。   「春臣さん。もう挿れてもいいですか」    すっかり柔らかくなった後孔から指を引き抜き、律希は言った。額から流れ落ちた汗が、俺の裸の胸に落ちる。   「できるだけゆっくりお願い。久しぶりだからさ」 「善処はしますけど約束はできないですね。何せ久しぶりなんで」    怖いことを言わないでくれ、と俺は身震いをする。  冗談ですよ、と律希は笑う。    律希のモノはにゆっくりと俺の中に入ってきた。粘膜を押し開かれる異物感。内臓を内側から圧迫されて、まなじりから生理的な涙が零れ落ちる。   「はぁっ、あァ……」 「春臣さん。身体の力、抜いて」    律希は俺の頬にキスを落とし、ゆっくりと腰を揺らし始めた。静かに引き抜いては挿れて。また引き抜いては挿れて。繋がっていることを確認するためだけの穏やかな挿抜だ。   「ふぁ、あ」    のどの奥から甘い声が漏れる。それが自分の声だと気付いた瞬間、顔が熱を持つ。このまま内側を擦られたら数分と経たずにイってしまう。  愛のあるセックスの気持ちよさを久しぶりに思い出した。   「すみません。も、イきそ……」    耳元で律希の声がした。激しい鼓動が伝わってくる。膨張したモノが深いところに触れて、俺は律希の背中に爪を立てる。苦しい、苦しい、気持ちいい。  快楽に溶けていく理性を必死で繋ぎとめながら、ふと頭に湧いた言葉を口にする。   「律希、好きだよ」 「俺も、大好き」    そうして痛いくらいに抱き合いながら、同時に果てる。
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