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絡まり合ってキスをする。求め合うように、分かち合うように、何度も何度も。2人分の唾液を飲みこめば頭がくらくらとして、蕩けるような幸福に包まれる。
律希は俺の唇をついばみながら、俺の身体のあちこちに触れた。耳朶、首、鎖骨、胸、脇腹、太もも、そしてまだぴったりと閉じたままの後孔。もどかしいくらいにゆっくりと、俺の身体を慣らしていく。
「春臣さん。もう挿れてもいいですか」
すっかり柔らかくなった後孔から指を引き抜き、律希は言った。額から流れ落ちた汗が、俺の裸の胸に落ちる。
「できるだけゆっくりお願い。久しぶりだからさ」
「善処はしますけど約束はできないですね。何せ久しぶりなんで」
怖いことを言わないでくれ、と俺は身震いをする。
冗談ですよ、と律希は笑う。
律希のモノはにゆっくりと俺の中に入ってきた。粘膜を押し開かれる異物感。内臓を内側から圧迫されて、まなじりから生理的な涙が零れ落ちる。
「はぁっ、あァ……」
「春臣さん。身体の力、抜いて」
律希は俺の頬にキスを落とし、ゆっくりと腰を揺らし始めた。静かに引き抜いては挿れて。また引き抜いては挿れて。繋がっていることを確認するためだけの穏やかな挿抜だ。
「ふぁ、あ」
のどの奥から甘い声が漏れる。それが自分の声だと気付いた瞬間、顔が熱を持つ。このまま内側を擦られたら数分と経たずにイってしまう。
愛のあるセックスの気持ちよさを久しぶりに思い出した。
「すみません。も、イきそ……」
耳元で律希の声がした。激しい鼓動が伝わってくる。膨張したモノが深いところに触れて、俺は律希の背中に爪を立てる。苦しい、苦しい、気持ちいい。
快楽に溶けていく理性を必死で繋ぎとめながら、ふと頭に湧いた言葉を口にする。
「律希、好きだよ」
「俺も、大好き」
そうして痛いくらいに抱き合いながら、同時に果てる。
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