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平々凡々、高校1年、眞木夜見(まきよみ)。この年になっても中二病と噂され、クラスメイトから嫌われている根暗のやつです、はい。
担任教師から強制され、渋々受けていた放課後補習が終わり、さて帰ろうと腰を上げた瞬間、魔方陣みたいな模様と青白い光に囲まれた。眩しさのあまり目を瞑って数秒間後、ひんやりとした空気とざわざわガチャガチャする音に、『ん?』と思い目を開けたら……。
そこは、異世界(前世の世界)でした。
「勇者召喚に成功した!」「やったぞ!」と周りから歓声が上がる。
召喚された人物達……俺のクラスメートである男女4人は何が起こったのかわからず呆けていた。
「ここはどこだ……」
そこそこのイケメンでスポーツ万能、皆からの信頼が厚いリーダー的な存在だが、自分が正しいと思ったら我が道を行く、秋山才雅(さいが)。
「意味わかんないんだけど……」
その幼馴染みの美人だけどちょっと毒舌で、小さく可愛いものが大好き、松木晴羅(せいら)。
「えっ……なに……こわぃ……せいちゃん、ふぇ……」
晴羅の親友で、背が低く小動物みたいな美少女だけど、ど天然過ぎて色々ウザイ、野々夢唯(めい)。
「……(めい、カワイイ)」
超がつくほどのイケメンで、紳士なのに夢唯のことが大好きすぎて、本人を前で話すことができない残念な男、名取健吾(けんご)。
そして、なぜか場違いなところに突っ立っている、何もかも平凡で痩せ型&黒髪黒ぶち眼鏡のダサイ男、俺。
うーん、どう見ても俺、何かの間違いだろう。……あはは。
意識をどこか遠くに飛ばしていると、王様の隣にいたほにゃらら宰相と呼ばれる人から淡々と説明された。
この国はガイヤードルという所で、魔王を倒し平和な世界にしたいので力を貸してほしい事、すべて終わるまで魔王の力なんやらで元の世界には帰すことができない事。
そう説明され、正義感の強い才雅は承諾し、残り3人も才雅がそういうならっと渋々承諾で話が進んでいく。
……あのうー、俺は無視ですか。そうですか。まぁ、いいんですけどね。
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