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「早速だがステータスを確認してほしい。ステータスオープンと呼べば名前、職業、スキル等が出てくるはずだ」 「ステータスオープン」と各自声に出し、ステータスを確認後、お互い目を合わせ興奮しながら何か話している。俺はそれを横目で見ながら、小さな声でステータスオープンと口にする。 目の前に透明な板みたいのが出現し、己の情報がずらりと映し出された。 名前 眞木夜見 (前世 ジン) 年齢 16 職業 治療師 魔法剣士 レベル 1  HP 800 MP 80000  スキル  全属性魔法(火・水・風・土・光・闇)、武術、身体強化、異空間無限収納(前世での持ち物有)、家事全般、全言語理解 称号 愛し子(精霊王に愛されし者)、前世の記憶を持つ者、召喚に巻き込まれし者、魔王になりうる者 ……なにこれ、色々突っ込むところありまくりなんだが。 HPひどいな、MPは前世の頃と同じぐらいだ。でもこれでレベル1だったら、この先もっと上がるよな……。 それに魔法だが、前世では、水、風、闇だけだったのに全属性ときた。うーん、チートといっていいレベルだ。 つーか、一番気になるんだが称号に魔王になりうる者って……。あー、何だか面倒くさいので今すぐ忘れよう。うん。 王様から職業を尋ねられ、勇者、賢者、聖女、魔法剣士と4人が答えると、周りが歓喜に溢れる。そして、次はどうだと静まり返り彼らは俺をじっと見た。 いや、俺、大した職業じゃないからね、巻き添え君だからね! 「あのー、俺は違うみたいです。召喚に巻き込まれし者と書かれてあります」 「……それでも職業はあるはずだ。何か書いてないか?」 正直に言うべきではないと思った俺はとっさに非戦闘員の職業を告げる。 「料理人と」 「……そうか、召喚に君を巻き込んでしまったようだな。申し訳ない。……どうやら色々話し合わなければならないようだ。まずは勇者達を部屋へ案内を。勇者達よ、詳しいことは明日話そう」 そう言うなり王様は去っていった。 秋山君達が丁重に部屋に案内される中、俺だけがぽつんと部屋に残される。 嫌な予感がする。 このろくでもない国はガイヤードル。何を隠そう、前世である俺、ジンが子供の頃に住んでいた場所だ。今はどうかわからないが、前世の記憶では治安もよくないし、王様や貴族のいい噂を聞いたことがない。 どうするかなぁ……と思っていた矢先、一人の騎士が近付いてきた。 「お前の処分だが、ここから追い出すことに決まった。今すぐ出ていけ」 「は?」 聞き間違いデスカ?今、処分って言いました?勝手に召喚に巻き込んでおいて、一般人の俺を追い出す?マジですか……。 騎士が何かブツブツと呪文唱え、魔方陣が浮かび上がり、『他弾転移』と指を差された瞬間、俺は、森にいた。
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