漢字ドリルのお礼を言いたい

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「やっぱり……」 何となく、そんな気がしていた為か、琴子は特に驚く事もなく、割と平然だった。 「未練はあるか?」 「未練…」 唐突に食らった質問に目を細めて考える。 「そうだ。それがあると地縛霊として一生この世に居る事になる」 ‪”‬地縛霊‪”‬というおぞましいワードに、ゾワッと背筋が凍りつくような感覚に陥った。 それだけは嫌だ、と心が叫ぶ。 でも……きっと心配には及ばない。琴子に…未練はない。 「別に…ない、ですかね」 暫く考えてみたが、本当に見当たらなかった。恋人がいた訳でもないし…、 別に…… あ。 そこで琴子の思考がフリーズする。
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