121人が本棚に入れています
本棚に追加
次の瞬間。琴子の背後にいる宮瀬くんが膝から崩れ落ちるようにびしょ濡れの地面に倒れ込む。
「宮瀬くん…!!」
宮瀬くんは腕を抑えていた。
そこからは血がドバドバと出ている。
そして犯人の持つナイフにも血が……。
どうやら琴子の体を貫通して宮瀬くんに届いてしまったナイフは彼の腕をかすってしまったらしい。
いや、かすったと言っても、すごい血……。
地面が赤く染っていく。
傷はかなり深いようだった。
腕を抑えて倒れ込む宮瀬くんはいつの間にかさっきまで持っていたビニール傘を手放していた。
「もしかしてお前……っ」
そしてまた襲いかかろうとする犯人をハッとしたように見上げる宮瀬くん。琴子の事件はニュースで結構取り上げられてるみたいだから、この人が犯人だ、って気付いたのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!