漢字ドリルのお礼を言いたい

24/34
前へ
/34ページ
次へ
しかし犯人は構う事無く、もう一度ナイフ振りかざすように宮瀬くんに迫る。 …しかし、流石、宮瀬くんだ。 怪我していない方の手で近くに転がった傘を再度手に取って、開いて、それを盾のように犯人に向けた。 犯人はつまずいたのかバランスを崩し転んでいる。その間に宮瀬くんは立ち上がり、緊急時用に開いていた非常口から何とか校舎に逃げ込んだ。 見事なまでの宮瀬くんの素早い行動と咄嗟の判断にすんなり刺されて殺された自分を琴子は少し恥じた。 ガラ​───────ッ!!! 教室に逃げ込んだ宮瀬くんは勢いよくドアを閉め、教卓の中に隠れる。 「はぁ……っ、はぁ……っ、、っ……」 「宮瀬くん……、大丈夫?」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加