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「やべぇ………」
宮瀬くんも足音に気付いたのだろう。
息を潜めて教卓の中でより一層体を丸めた。
さっきは奇跡的にかわせたかもしれない。
でも腕からの血が凄くて……
もうそんなに体力…、残っていない気がする。
あぁ、もう……!どうしたら…っっ、迫る足音にどんどん恐怖心を煽られる。
あぁ…。なんで死んじゃったんだろう。
琴子は今この瞬間。
自分が死者である事をひどく呪った。どうして自分は死んでしまったんだろう。
どうして自分は………
宮瀬くんを…助けられないんだろう。
自分が無力すぎて、本当に、嫌になる……宮瀬くんは…、こんな引っ込み思案でコミュ障陰キャの私に話し掛けてくれた。
気に掛けてくれた。すごくすごく、優しい人…。
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