1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
久しぶりに見るこの光景は懐かしさと共に、思い出したくない過去を思い出させる。
小さな手が、遠い過去から呼び覚ます。
「ママ。ここがママの学校?」
その問いに腰を下ろしながら、視線を同じ高さまで下ろして、「そう。ここがママの通っていた中学校よ」と答えた。
久世は、すでに廃校となった母校に視線を向ける。
ふと脳裏を過る違和感に応えようとする。
「これがママのちゅーがっこうなんだ」
娘の言葉に再び、現実に戻された。
最初のコメントを投稿しよう!