第一話・転生先は悪役令息

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まさかその子?だとしたら、なんで今家出しようとしている俺の気持ちが分かるんだろうか。 超能力者?ゲームではそんな話はなかった気がする。 手紙には『何処に行っても死は必ず追いかけてくる』と書いてあった。 イタズラだと思いたい、ただの手紙だし…俺のようにゲームを知っている人がいるのかな。 もう一度紙を見ると、文字が一瞬で変わってびっくりした。 『ゲームの強制力は、何処の世界に居ても逃れる事は出来ない』 「ゲームって、ゲームを知っている?」 『神様だから、何でも知っている』 「会話してる!?」 俺の独り言に合わせて文字が消えて、新しい文字が浮かび上がってくる。 神様だからこんな魔法のような事が出来るのか? 神様、そういえばゲームでもいたな…確か主人公のスピカの脳内に語りかけていて導いていた。 ちょっと口が悪い不良のようなキャラクターで、確か攻略のおまけでストーリーがある一応攻略キャラクターだった。 神様はおまけキャラだったから、フォルテとは何の関わりがない。 でも簡単に信じていいのだろうか、神様自身がゲームの世界の強制力なのかもしれない。 とりあえず俺が知っている神様かどうか、まず名前を聞く事にした。 「名前はなんて言うんですか?」 『ミッシェル』 その名前は、俺が知っている神様の名前ではなかった。 そもそもゲーム内の神様はスピカの脳内に語りかけるキャラクターだ。 ゲームでは語られなかったフォルテの脳内にはこの人がいたのかもしれない。 だとしたら悪に導くのもこの人なんじゃないのか? やっぱり信用出来ないと、手紙を机に置いてバッグを掴んだ。 俺は騙されないからな、絶対に悪役になんかならない。
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