第一話・転生先は悪役令息

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俺自身も誤解していた、悪役だからいたずらをして嫌われたんだと思い込んでいた。 フォルテはただ、自分のおもちゃを見てほしかっただけなんだ。 無意識でも嫌な思いをさせてしまったのなら、覚えている限りの人に謝ろう、記憶が曖昧とはいえ俺がした事には変わりがない。 俺は悪役にはなりたくない、死ぬからという理由だけではない。 フォルテ自身の人生をこのまま終わらせていい筈がない。 誤解が誤解を生んで、信じた人に裏切られて誰も信じられなくなっていた。 皆に嫌われて独りぼっちで死んでいくフォルテをずっと見てきた。 フォルテには選択肢が許されてはいなかった、決まった行動をして決まった結末になる。 生前の俺は、それがゲームで当たり前なんだと思っていた。 当事者にならないと分からない事が多すぎる、そして思い出すのがもう少し早かったら… まだ、俺はゲームが始まる前の世界にいる…まだ間に合うって信じていいよな。 俺は、フォルテも救いたい…ハッピーエンドってそういう事だよな。 「聞いていたらでいいけど、本当に今から関係を元に戻せるのか?」 質問しても、俺の声は俺にしか届く事はなかった。 そのくらい教えてくれてもいいのに、言ってはいけないなにかがあるのか? それも自分で考えろと言われているようで、必死に考えてみた。 その結果、睡魔に勝つ事が出来ず、眠りの世界に身を投げた。 俺の100人ルート攻略はここから始まる事になった。
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