第一話・転生先は悪役令息

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*** 翌日、俺は広場に向かった。 俺の被害者は子供だから、片っ端から声を掛けて謝るつもりだ。 街の人達は、俺の行動で怖い思いをしたんだ。 俺が好きだからって、あんなグロい見た目のおもちゃを見せるべきではなかった。 今は中身が大人だからそう思えるけど、子供には分からないか。 そこで意地になって、おもちゃを見せ続けたのは完全に俺が悪い。 心を入れ替えて、今後はしないとちゃんと彼らに伝えよう。 許してもらうためなら何でもする、それが俺が今出来る精一杯だ。 広場には人が多く、屋台に呼び込む声や雑談に花を咲かせている女性達。 真ん中にある噴水で遊んでいる子供達がいるのが見えた。 俺もいつも噴水広場で遊んでいた、けど俺と遊んでくれる人は誰もいなかった。 俺が人見知りで、「遊ぼう」と一言言えたら良かった。 そしたらおもちゃなんて見せなくても友達がいたかもしれない。 性格は簡単に直せないが、行動一つでその先が大きく変わる。 些細な事でも、俺の結末に影響してくると分かった。 今なら「遊ぼう」と言えるけど、今言っても手遅れだ。 マイナスから人間関係を0に戻すのはとても難しい。 それでも、俺がした事は俺がどうにかするしかない。 子供達のところに行こうと歩いていたら、俺に気付いた大人が俺に聞こえるくらいの声で話し始めた。 「見て、またあのフォルテよ」 「今日はどんなイタズラをするのかしら」 「本当に嫌ね、うちの子も外で遊ばせられないわ」 「早く何処かに行ってくれない?」 大人達にも歓迎されていない様子で、心が痛くなる。
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