第一話・転生先は悪役令息

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第三者から見ても、俺が怖がらせているように見えたんだろう。 メンタルが強いわけではない俺にはかなりのダメージだ。 大人にはイタズラした記憶はない、俺はおもちゃを見せたかった同じくらいの子達にしかしていない。 でも言われても仕方ないから、言い訳もするべきではない。 子供だけではなく、大人にも改心した事を見せないといけない。 噴水に近付くと、何人かの子達が俺に気付いて顔色を変えた。 さっきまで楽しそうに笑っていたのに、その顔は青ざめて怒りや恐怖に変わっていた。 嫌われているというより、怪物を見たかの反応だ。 俺がいるだけで、噴水広場は小さなパニックになった。 叫んでいる子も泣いている子もいて、俺が謝っても声が聞こえていなかった。 このくらいの言葉だけで許してもらえるとは思っていない。 でも、謝罪から始まるんだ…謝る事も許してくれないなら許される事も出来ないのかな。 怖がらせないように顔が分かるくらい離れているが、まだ怯える声が聞こえる。 これ以上近付くと余計に怖がらせてしまうから、何も出来ない。 それでも、自分でした事を謝るために声を張り上げた。 俺は何も脅かすものは持ってないと、両手を前に出して頭を下げた。 今日で終わらせるつもりはない、通い続けたらいつか話を聞いてくれるかもしれない。 俺は、きっとそうだと信じているから謝り続けた。 酷い事を言われて傷付いても、それ以上に傷付いている人がいる。 俺は諦めず何度目かの謝罪をするために、口を開いた。 その時、なにかが俺の頭にぶつかって視界が激しく揺れた。 なにが起きたのか理解する前に、地面に膝を付いた。 ポタポタと赤い液体が地面を濡らしていて、視界がぐるぐる回る。 あれ?なんだろうコレ、俺から出ているものなのか? 近くに落ちていた石を手に取ると、赤い液体のようなものが付いていた。 俺から出ているものと同じだと思った瞬間、血だと気付いた。 そう気付いたら、頭がズキズキと痛み出して熱っぽくなってきた。 目の前を見ると、周りの子供や大人達が俺に向ける顔は憎悪に満ちていた。
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