第一話・転生先は悪役令息

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同じ歳みたいだけど、尚更子供が助けてくれるなんて不思議だった。 「何故、そうまでして争いを望むのですか」 「カノン!ソイツから離れろよ!また何するか分からないんだから!」 「何をするのか分からないから石を投げたのですか?彼の言葉に耳を傾けながら」 「…っ!」 誰かが話している声が聞こえるけど、それが誰だか分からない。 俺の知らない声だけど、皆と同じように俺の事嫌いじゃないのか? 目蓋を開ける事に必死で、会話を理解する余裕がない。 ただ、言い合いをしている事は分かる…何の言い合いかは分からない。 頭がだんだん重くなってきて、意識も朦朧としてくる。 起きたいのに、もういいかと無気力になる自分もいる。 まさか、幼少期から死亡フラグを用意しているとかないよな。 100人もの攻略キャラクターがいると、俺がいない世界も存在するのかもしれない。 やっていない、知らない話もあるからすべての死亡フラグなんて回避出来るのか? 赤ん坊からスタートしていたら、いろいろと関係を直す事が出来た。 転生漫画では、それが当たり前で同じ過ちを犯さないように奮闘していた。 第二の人生って、もう決められたものではない気がする。 今さら生まれ変わって文句を言っても変わらないけど。 この世界は俺にとってのハードモードの先の激ムズ人生だ。 俺を殺したい世界にとって、イージーモードは当然用意されていない。 そもそも、俺が主役の人生なんて考えられてもいない。 人は、その人その人に人生があり…皆主役だというのに… 元配信者として、用意された難易度が出来ないからって投げ捨てる事は出来ない。 ゲームをクリアした俺には何も恐れる事はない。 やってやる、絶対に生きて世界に見返してやるんだ! こんなところで倒れていられるかと立ち上がろうとした。 俺の意識はここで暗闇に包まれて、糸が切れたようにプツリと失った。
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