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同じ歳みたいだけど、尚更子供が助けてくれるなんて不思議だった。
「何故、そうまでして争いを望むのですか」
「カノン!ソイツから離れろよ!また何するか分からないんだから!」
「何をするのか分からないから石を投げたのですか?彼の言葉に耳を傾けながら」
「…っ!」
誰かが話している声が聞こえるけど、それが誰だか分からない。
俺の知らない声だけど、皆と同じように俺の事嫌いじゃないのか?
目蓋を開ける事に必死で、会話を理解する余裕がない。
ただ、言い合いをしている事は分かる…何の言い合いかは分からない。
頭がだんだん重くなってきて、意識も朦朧としてくる。
起きたいのに、もういいかと無気力になる自分もいる。
まさか、幼少期から死亡フラグを用意しているとかないよな。
100人もの攻略キャラクターがいると、俺がいない世界も存在するのかもしれない。
やっていない、知らない話もあるからすべての死亡フラグなんて回避出来るのか?
赤ん坊からスタートしていたら、いろいろと関係を直す事が出来た。
転生漫画では、それが当たり前で同じ過ちを犯さないように奮闘していた。
第二の人生って、もう決められたものではない気がする。
今さら生まれ変わって文句を言っても変わらないけど。
この世界は俺にとってのハードモードの先の激ムズ人生だ。
俺を殺したい世界にとって、イージーモードは当然用意されていない。
そもそも、俺が主役の人生なんて考えられてもいない。
人は、その人その人に人生があり…皆主役だというのに…
元配信者として、用意された難易度が出来ないからって投げ捨てる事は出来ない。
ゲームをクリアした俺には何も恐れる事はない。
やってやる、絶対に生きて世界に見返してやるんだ!
こんなところで倒れていられるかと立ち上がろうとした。
俺の意識はここで暗闇に包まれて、糸が切れたようにプツリと失った。
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