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血が流れていたから死んだと思っていたから、このくらいで済んで良かった。
ベッドに座ってやる事もないから寝ようと思った。
脳内で自称神様が話しかけてきた。
『攻略するつもりが、攻略されてない?』
ミッシェルの言葉にハッと我に返った。
そんな、いつの間に攻略されたんだ?
俺はただカノンに感謝しているだけで、カノンに恋愛感情を抱いているわけではない。
友達として好きも攻略なら、さすが主人公を落とす攻略キャラクターだ。
でもそれのなにが問題なのか分からない。
攻略キャラクターと親しくなるなら、そっちの方がやりやすいのではないのか?
「別にいいんじゃないか?それで」
『君は忘れているみたいだけど、100人を攻略するんだよ…一人に夢中になってどうするの?平等に愛してあげないと』
そんな事を言われても、俺にどうしろって言うんだ?
確かに誰かを傷付けないためには、同じくらい愛する必要がある。
それに、俺が好きになっても片想いで終わるのは目に見えている。
攻略キャラクターは常に好かれ慣れているわけだしな。
俺だってそう簡単に男を好きになる筈もなく、先が見えず真っ暗だ。
それに俺が一番謝らなくてはいけない子があの場にいなかった。
何処にいるんだろう、俺に会いたくないだろうけど会わないと何も始まらないとカノンが教えてくれた。
あの時の誤解をちゃんと晴らさないといけない。
「ミッシェル、とある人のプロフィール出せる?」
『無理』
「なんで即答なんだよ」
『攻略キャラクターのプロフィールは、触れた相手のしか無理だから』
カノンに包帯交換で触れられた時の事を思い出して、落胆した。
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