第一話・転生先は悪役令息

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14歳になった頃、受験のための勉強で部屋に閉じこもる日が増えていった。 この期間だけ、広場の掃除や教会のお祈りはお休みしている。 まだまだだけど、感謝される事も増えてやりがいを感じている。 このままでも死亡フラグを回避出来るような気すらしてくる。 この国の子供達が通うのは大きな城のような外観の学院だ。 男子部と女子部に分かれていて、ほとんど男子校と女子校のようなものだ。 離れているから、会いに自ら行かないかぎり卒業まで会わない。 ゲームでは学院の話はなかったから、本当に会いに行けるのかは分からない。 全部周りの人の噂話でしかない、ほとんど男子校と女子校というのは本当だけど。 スピカの事は気にならないと言ったら嘘になるが、熱心に追いかけるほどではない。 この世界にいればいつか出会う人だし、まだゲームが始まらないから平和なものだ。 今は、ゲームの過去編に土台を作っている途中だ。 俺が悪役になる原因や、過去に攻略キャラクターとスピカが出会う回想は過去でないと無理だ。 ここで、大きく変える事が出来ればその先のゲームの内容も変わる。 学院は入試の点数で特別科と普通科に分かれている。 授業内容も当然変わるし、二つのクラスは離れている。 エリートと一般の差だから、なかなか会う事もない。 他にも選択授業だから細かく分かれるが、大雑把に分かれるのはその二つだ。 俺は普通科だけど、カノンの頭なら特別科だろうな。 部屋に引きこもる前に勉強を教えてくれた時は、分かりやすくて頭にスッと入ってきた。 カノンと会えにくくなるのは寂しいけど、遊びには行けるだろう。 とりあえず、俺は入学出来ればいいかな…と思う。 今日の勉強は終わり、背伸びして深く深呼吸した。 今日のご飯なにかなぁ…と何となく考える。 『最近、サボってない?もしかして、忘れちゃった?』 「うわっ!久しぶりにミッシェルの声が…気のせいか」 『君はそんなに死にたいのかな』 ミッシェルの声がちょっと怒っているようだった。
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