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この世界にゲームやテレビやスマホはないから確認する事は出来ない。
こんな事なら、全部のゲームをやってアニメも見ておけば良かった。
こんな事になるなんて、誰も想像していなかったけど。
プロフィールは死に方しか書いていなくて、分からない。
『知りたい?なんで死んだか』
「そりゃあ俺のあったかもしれない未来なんだろ?自分の事なら知りたい」
ミッシェルは聞くだけ聞いて、何も答えなかった。
追加情報を教えてくれるのかと思ったのに、なんで黙るんだ。
しつこいくらいにカノンを否定しているのに、肝心な事は教えないってなんなんだよ。
思わせぶりな事を言われて、余計に気になってきた。
気を紛らわせるために、厨房でなにかもらってくるかな。
そう思って部屋を出ようとしたら、一階にいる母さんが声を掛けてきた。
「フォルテ!今、カノンくんが遊びに来ているけどどうする?」
「分かった!今行く!」
廊下に出て、下にいる母さんに伝える。
久々だな、カノンの話をしてたし俺も会いたかった。
カノンを迎えに行くために、玄関に向かった。
家にも何度か遊びに来ているから、母さんもカノンを知っている。
俺が初めて友達を連れてきたから、初めての時は張り切って料理を作ってカノンと夕飯を共にした。
礼儀正しくて、見た目も美人なカノンは母さんのお気に入りだ。
カノンも俺が掃除をしているとか言われたくない事だと分かっているから母さんには黙っていてくれる。
信用している、やっぱりそんなカノンが俺を殺すとか考えられない。
『そんなに言うなら、追体験させてあげる』
ミッシェルの声が脳内で響いた時、俺の意識はプツリと切れた。
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