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第ニ話・学院で因縁ハプニング
*カノン視点*
いつからなのか、こんな気持ちを抱いたのか分からない。
気付いたら、いつの間にかそこにあってなくてはならないものになっていた。
その気持ちは、甘くて切なくてとても危険なものだ。
一歩間違えれば、取り返しのつかない事になる。
禁断の果実のように、触れる事すら許されないもの。
だからこの気持ちを永遠に封印する事に決めた。
誰になんて言われようとも、心の奥底の誰も知らない場所に閉じ込めて大切に守る。
君は知らなくていい、知らぬまま傍で笑ってくれたらそれでいい。
何も変わらない、いつも通りの日々が流れるだけ。
君が友と望むなら、ずっと友であり続ける事を神に誓おう。
今日は大切な日だ、眠らないといけないのに目が覚めてしまう。
不安な部分もある、学院の寮暮らしなら共同生活が必須となる。
あまりに人が多いと眠れるか分からない、寝不足は身体に悪いのは当然だ。
まだそうなったわけでもないのに心配するのは気が早いか。
それに、フォルテもいるからきっと大丈夫だ…フォルテが頑張っているのに私だけ逃げ出すわけにはいかない。
ベッドから降りて、まだ少し眠気が覚めないが洗面所まで歩いた。
鏡に映るのは、髪が乱れていてシャツのボタンが開けているだらしのない自分の姿だった。
こんなところ、誰にも見られたくないと思っていたがあの時の事を思い出した。
私が倒れた時に、フォルテが見舞いに来てくれた。
嬉しかったが、だらしのない私の姿を見せてしまった。
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