第ニ話・学院で因縁ハプニング

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何も悪い事をしていない子供を大勢が罰を与えるなんて、あってはならない。 彼の事は知っているし、実際に会った事もあった。 変わった趣味を持っている、第一印象はそれだけだった。 なのに何故周りの人達は、そんなに目の敵にするのか分からなかった。 ちゃんと祈る時は大人しくしているし、あんな事をされても許してもらおうと一生懸命だ。 私はフォルテを応援する、誰がどう言おうと変わらない。 私に出来た、特別な友人…司祭様に初めて隠し事をした。 母のように慕っているシスターにだけフォルテの話をしていた。 私の事でいろいろと心配掛けていたから、とても喜んでくれた。 友人だと信じて疑わなかった、あの日あの時までは… 私とフォルテは勉学のために、しばらく遊ぶ事も会う事もしなかった。 それでも気分転換が必要だと思って、フォルテの家に遊びに行った。 いつものように、フォルテのお母様に挨拶をしてフォルテの姿が見えた。 変わらないフォルテがそこにいると、そう思っていた。 突然床に座ったと思ったら、動かなくなり心配した。 目を覚ました時のフォルテの顔は忘れる事が出来ない。 私を瞳の中に映して、身体を震わせて怯えて拒絶された。 今日はなにか嫌な事があって、偶然にも私が会いに来た…それだけだと自分に言い聞かせていた。 また別の日にしようと、その日は大人しく帰る事にした。 教会のお祈りをしている時、いつもなら何も考えずにやっていた。 でも、もしフォルテに嫌われているならどうすれば良いのか。 当たり前だと思っていたその日常に、フォルテがいなくなる。 そんな未来を想像すると、怖くて手が震えてしまう。 体調も悪くなり、お祈り中に意識を失い倒れてしまった。
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