第ニ話・学院で因縁ハプニング

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俺が突き落としたと知っているなら、なんでユリウスに言わなかったんだ? ゲームではユリウスの友人だけど、明るく友達も多いキャラクターだった。 さっきの俺を見る顔も敵意はなかった、だから教えてもいいと思うけど… 考えられるのは、彼も見ていなかったという可能性だ。 そうなると、女の子もパニックになってたし見ていないかもしれない。 知らない気がするが、一応彼にも聞いてみた方がいい。 知っている可能性もまだ残されているなら、徹底的に調べないと… 考え事をしていたらカノンに肩を触られて、カノンの方を見た。 「フォルテ、ほら…見えてきたよエルフォレスト学院」 「……凄っ!」 カノンが指を差したものは、近くで見るとかなりの迫力があった。 屋根まで見るには首が折れてしまいそうなほど大きい。 ここは第二の城と言われても信じてしまいそうなほど、城だ。 口を閉じるのを忘れて、間抜けな顔をして眺めていた。 もう近くだから大丈夫だと、カノンにバッグを渡してもらい抱える。 学院の門の前には先生がいて、生徒達の荷物を集めていた。 寮まで運んでくれるんだろう、荷物を預けてから中に入った。 大きな噴水広場の先に学院の校舎が見えて、先に進んだ。 こういうところでお弁当を食べたら美味しそうだな。 ユリウス達はもう先に行ってるのか見当たらない。 最初はそんなに距離が離れていなかったが、怒りで足を速めていったから離された。 追い付かれたくなかったんだろうな、小さく息を吐いた。 ゆっくり学院内を見てみたいけど、遅刻気味だから俺達も早足で向かう。
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