第ニ話・学院で因縁ハプニング

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頬が熱くてジンジンと痛い、ユリウスに殴られたんだとすぐに分かった。 ポタポタと地面に広がる真っ赤なシミを作っていく。 後ろからユリウスが「お前のせいで、俺は……殺してやる!」とさっきとは比べ物にならないくらいの殺意と敵意を向けられた。 俺の周りの人達とは明らかに殺意のレベルが違った。 今のユリウスは剣を持っていないから幸い、フォルテの殺し方ではない。 学院では、授業以外の武器の使用は禁止になっている。 ここで死ぬ事はないだろうけど、切れた口内が痛い。 そういえば、ユリウスに殴られた時に触れられてプロフィールが俺の脳内に出現した筈だ。 ゲームを覚えているから見る必要はないが、とりあえずミッシェルが出したプロフィールを見た。 そこには目を疑うような文字が書かれていて、思わず声が出た。 「撲殺…なんで…」 ユリウスは剣で俺を倒した筈なのに、プロフィールには撲殺と書いてあった。 確かに学院では武器の持ち込みや使用は禁止だけど、そんな事あり得るのか? もしかして、俺の状況に合わせてプロフィールが変わるのか? ユリウスが近付く気配を感じて、考えている暇はなく走り出した。 これは、本当に殺されるかもしれないと恐怖を感じた。 俺のした事に対しては逃げないが、真相が分からないままは嫌だ。 自己犠牲をするつもりはないから、ユリウスには悪いけど殺されるわけにはいかない。 とりあえず今は何処かに逃げよう、頭に血が上っているユリウスに何を言っても聞かない気がする。 校舎に行けばまだ残っている人がいる筈で、ユリウスは見た目の不良とは違い常識人だった。
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