第ニ話・学院で因縁ハプニング

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「凄いよねぇ、こんなものまで昔の天才達は開発するんだからさ」 俺の手から写真を取って「間抜けな顔ー」と言っていた。 人の顔を勝手に撮っておいて、酷い言われようだ。 俺から写真を奪うと、手をヒラヒラと振っていた。 「出て行け」って事だろうな、言われなくても行くよ。 倉庫から出ると、空は夕陽に染まっていて長居し過ぎたんだと分かる。 もうさすがにユリウスも諦めただろうと、寮に向かって歩き出した。 新入生のために、あちこちに寮への看板が設置してあり迷う事はなかった。 たどり着いた寮は大きな洋館のようで、ファンタジー丸出しだなと苦笑いする。 扉の横で誰かがしゃがんでいるのが見えて、近付くと人影がはっきりしてきた。 「カノン」 「っ、フォルテ!」 下を向いていても、その人がカノンだと分かり声を掛けた。 勢いよく顔を上げたカノンは、俺のところに駆け出した。 「どうしたんだ?」と言おうとしたが、遮られるように抱きしめられた。 服越しでも、カノンが長時間ここにいた事は分かる。 冷えている身体を温めるように、背中に腕を回して抱きしめ返した。 「カノン、ごめん…心配掛けた」 「今朝の事があったのに、フォルテを一人にした私が悪いんだ」 「カノンは悪くないって、クラスも違うしずっと一緒は無理だって」
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