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そして好きになった人と家族を築いてほのぼのと暮らすんだ!
8歳である俺は、自分の身体と同じくらい大きなバッグをクローゼットから取り出して服を片っ端から掴んで詰め込む。
両親は優しい人だ、俺も両親が大好きで申し訳ない気持ちがある。
でも、この家には俺だけではなく悪役の親玉のような人達がいる。
俺より悪どい事をして、俺が悪魔族に弟子入りしたのをいい事に自分達の罪をなすりつけた祖父母。
あの人達がいる家にずっといたら、悪に染まるのも時間の問題だ。
そうなる前に、俺は家出をする…探さないで下さい。
服やいろいろ詰めたせいで、バッグが重くて持ち上がらない。
引きずるようにしてドアまで運んでいると、突然ドアが開いた。
びっくりして危うく悪役転生人生が終わるところだった。
いくらフォルテが凄く嫌でも、当然死にたくはない。
心臓部分に手で撫でて、目の前にいる執事を見つめる。
家出の事で頭がいっぱいで、ドアをノックした音が聞こえていなかった。
執事はなにが起きたのか分からないまま、俺に手紙を渡してドアを閉めた。
執事に渡された手紙を見つめて、俺宛てなんて珍しい。
手紙を見てから家出しても遅くはない、ずっと気になりながら家出しても集中出来ない。
宛名がなく、封筒を開けて中の紙を開くと一瞬動きが止まった。
何故こんな手紙が来るのか、心当たりがありすぎる。
前世を思い出す前の俺は何も考えていないバカだった。
いじめっ子でいつも近所の男の子をいじめていた記憶がある。
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