第ニ話・学院で因縁ハプニング

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「再現してるんだよ、あの時の」 「へぇ、じゃあ僕もやるー」 「協力してくれるのか?」 「暇だから」 ラウルは笑っているが、どんな理由であれ人が多い方が再現出来る。 じゃあラウルは誰の役をやってもらおうか、考えていたら地面にしゃがんでいた。 地面を眺めて微動だにしないラウルに「何してるんだ?」と聞いたら「地面の草を見てる」と答えていた。 ラウルはラウル役で、幼少期の再現をしていた。 ラウルもいたからラウル役をやるのは当たり前か。 俺はまたユリウスの役をやろうと思って、ずっとカノンに腕を掴まれていた事を思い出した。 カノンは、別の役をやった方がいいと言っていた。 確かに他の目線から考えるのは大切だけど、ラウルを見ても地面を見つめるだけだ。 でも、ユリウスと俺の問題だし…他に誰かいただろうか。 「確か、もう一人女の子がいたよね」 「うん…でも、スピカは怖がってただけだからユリウスとは関係ないよ」 「怖がって彼に寄り添ったの?」 「えっ、そうだけど」 「なら、彼女の行動も考えるべきだ」 スピカはユリウスに寄り添って怖がっていたけど、それだけだ。 そもそもスピカはゲームでもか弱い女の子で、ユリウスを突き飛ばす力はない。
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