第ニ話・学院で因縁ハプニング

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それをする理由もないから、勝手に除外していた。 確かにカノンの言う通り、スピカも試してみるか。 俺は動いていなかったから、俺の役はやらなくていいか。 じゃあどっちがスピカの役か考えていたら、カノンが俺の方に身体を寄せていた。 いきなりで、ちょっとドキッとして心臓が跳ねた。 カノンの髪からいいにおいがする、いや…何考えてるんだ俺は… その瞬間、俺の身体がよろけて湖の中に沈んでいた。 湖から顔を上げると、嬉しそうなラウルの声が聞こえた。 後ろを振り返ると、ラウルはなにか灰色のものを持って喜んでいた。 あれってなんだ?見た目はカタツムリみたいだけど、手のひらサイズなんてデカすぎないか? カノンは俺に手を差し伸ばしてきて、申し訳なさそうにしていた。 「ごめん、怪我はない?」 「カノン、どうやったの?」 「ただ寄り添うだけのつもりだったけど、足が思うように力が入らなくて」 滑ったのか?でもカノンの位置だと地面が湖で濡れる事はない。 昨日もその前も雨は降っていなかったから濡れるわけがない。 カノンに引っ張られて、下の方を見ていたから俺もそちらを見た。 地面にはいくつもの浅い穴が出来ていた。 何だこれ、最初に湖に落ちた時はこんなものはなかった。 穴の周りを見てみたら、近くにラウルしかいなかった。 ラウルの手は土で汚れていて、穴を掘った犯人が誰か分かった。 こんなところで何をしているのか、再現ではないのか? ラウルに近付くと、俺達に気付いて笑って灰色のものを見せてきた。 中がもぞもぞ動いていて、虫の足が出てきて悲鳴を上げた。
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