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第一話・転生先は悪役令息
「今日も配信見てくれてありがとう!また次も見てね!」
パソコンの画面に向かってそう声を掛けて『配信終了』の文字の上にカーソルを合わせる。
クリックして、ヘッドホンを机の上に置いた。
大きく背伸びをしながら、パソコンの画面に映る同接閲覧数を眺めながら口元が上がる。
高校生から配信というものに触れて、雑談を主にしつつゲームや気に入った商品の紹介などをして8年目となる。
今は社会人をやりつつ休日に配信していて、それなりにファンがいる。
本業にしている人達には敵わないけど、趣味だから構わない。
顔はカッコよくも何ともないから顔は出さない、人それぞれにイメージがあるからそれを大切にしたい。
それでも声だけでこんなに人が付いてくるのは嬉しい。
声には少しだけ自信があった、イケボと言われたらよく分からないが聞き取りやすい声とは言われる。
今日の配信内容は、いつものように緩い雑談をして終わった。
もうすぐ25歳の誕生日だから、なにかしたいな…ファンが喜ぶ事。
俺の誕生日だけど、皆が喜ぶ事した方が盛り上がる。
今日の雑談内容も、ちょっとだけその事に触れていた。
ただのおめでとうで、プレゼント貰うだけだと申し訳ない気持ちになる。
毎年雑談とかいろいろしているが、今回は別の事をしたい。
そういえば、ファンの子達がやってほしいゲームが配信のコメントで流れていたな。
思い出して、コメントのログを見返して眺めていた。
バラバラなジャンルのゲームを進める人達がいる中で同じゲームの名前を書いている人達がいた。
ゲームならある程度やっていて、下手ではないから何でもやれる。
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