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「もしかして香織はサイコパスか?」
「……うん」
「そうか、そうだったのか……では、これからは俺は自分を隠さない。俺もサイコパスなんだ。ずっと残酷な俺を見せたら嫌われるのが怖かった」
「私の方こそ、本音を伝えたら嫌われると思ってて……」
二人とも、過去の人生、思い通りになってきた。だが、本当に欲した相手が思い通りに動かず苦労した――と、思っていたら、まさかの理解者同士だった。それが尋常ではない幸福感を齎している。何もかもが上手くいきがちであるから、孤独を抱えた者同士だった昨日までとは異なり、今二人はただ純粋に、お互いだけを求めあっていた。
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