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このようにしてサイコパスな二人は、お互いの気持ちを確認した。
しかし世間の人々は知らない。
「まぁ、素敵なご夫婦ね」
二人で並んで歩けば、美貌の二人には視線が集まる。優しく香織の肩を抱く砂月は理想の主人であり、その隣に佇む妻は儚い美人だ。人当たり良く挨拶する二人は、今もご近所で大人気だ。
「私には出来た主人です」
「いやいや、俺にこそ過ぎた配偶者なんだ」
二人が口々にそういえば、周囲は微笑ましい顔をする。
なおとある別れさせ屋が倒産し、遠藤と名乗っていた社員の行方は誰も知らないらしいが、それは特筆すべき事柄では無いだろう。
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