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開いたシャツの間に顔を埋めたダーレンは、自分が残している痕を見ながら、満足そうにその上からまた痕をつける。
毎日愛されて、身体中に赤い吸い痕がついているので、人前で肌を晒すこともできない。
ダーレンに愛されながら、ふと窓に目線を向けたロランは、そこに映った自分の顔にまだ慣れなくて、毎回ハッとしてしまう。
ロランの目は片方が紫で、もう片方が青色に変わっていた。
半身になったことでロランの体に起きた変化、それがオッドアイになったことだった。
鏡を見る度に、別人か、生まれ変わったような気持ちになる。
ロランの胸元に顔を埋めて、動きを止めたダーレンはロランの中に熱を放った。
二人で快感の余韻に震えながら、離れることなくピッタリと抱き合った。
ロランが描いた世界に赤い色を塗った男。
頭の中も体の中も、ダーレンの赤に染められて、ロランはこれ以上ない愛を手に入れた。
愛の色は何色だと聞かれたら、ロランは間違いなく赤だと答えるだろう。
鮮やかで体中を流れる血のような赤い色
二人で描く世界の色
この先もずっと、鮮やかに二人を染める愛の色
(完)
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