日の当たるリビングで

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日の当たるリビングで

 あなたはいつも私の隣に座って、スマホを見たり、眠っている猫を起こして遊んだりしていた。  でも、あの日からあなたは私の隣には居なくなった。  そう。あの流行り病にかかってから。  面会にもいかれず、してあげられることもなく。  仕方なく日の当たるリビングでいつものように猫の眠るのを見ている。  ふっと気が付くと、あなたが隣でスマホを見ている。  猫も起きてあなたの膝に乗っている。  まさか、あなた・・・・    と、涙を流し、あなたとの思い出を反芻した。  再婚同士の私たちは特に式もあげなかった。 「やめる時も健やかなるときも。」なんて神様の前でも誓わなかった。  それでも、あなたはいつも家事を手伝って・・・・  いや、ほとんどやってくれていた。  あら?    夢かと思ったら妙にリアルに座っているわね。 「なぁ、泣きながら昼寝するのやめて起きたら?」  ぼうっと夫を見ながら泣いている私に夫が言った。    リビングがあまりにも暖かくて、ソファで眠ってしまったようだ。  夫はぴんぴんして隣に座っている。  私もダラダラと昼寝を楽しんでいた。  ちょっと悲劇のヒロインになって。  こんな時間が続いて、本当に最後まで一緒に過ごせるといいな。  私はそんな風に思いながら慌ててティッシュで涙を拭いた。 【了】  
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