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「映えるとこ、探しといて!」
「ばえ…、ハエが沢山飛んでるカフェ、ですか?」
瀬川さんはなるべく不衛生な所が好みなのだろうか。
「あはは…、なにそれ」
フワッ、と表情を崩した瀬川さんが僕を小馬鹿にしたように笑った。その笑顔からはますます目をそらす事が出来なかった。
…好きだ。僕は瀬川さんが好きだ。
その夜。
【映え】とは何か、スマートフォンで検索してみた。
《ひときわ美しく目立って見えるさま、他と比べても特に際立っているさま、周囲から引き立つように見栄え(見映え)がするさま。》
それはまるで瀬川さんについて説明されているみたいな文面で。
いつの日か彼女とタピオカを飲める日を夢見て……もとい、タピれる日を夢見て、僕は彼女の帰りを心待ちにした。
【終】
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