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所詮は腰掛け程度にしか考えてこなかった琴子には、それ相応のツケが回ってきたわけだ。
資料の中には被害者の少女の傷の診断書のコピーと写真があった。
額の傷の拡大写真は痛ましかった。これは世間の怒りを買うだろう。
被害者の少女に落ち度はなかった。ただふつうにブランコを漕いでいただけだ。アクロバティックな漕ぎ方で怪我をしたわけではない。
江東区児童公園は、緑豊かな公園で、都市開発課はいずれ、世界に紹介してもいいほど、区民や子どもたちに寄り添った公園になることを目指していた。
それが現在はどうだ?世界に紹介するどころか、今や世界の恥になっている、悪名高い公園として挙げられる。
江東区役所が沈静化に躍起になるのも頷ける。
「真中さん、これから時間、あるかしら?」
琴子が帰宅の準備をしている最中、佐伯さんが声をかけてきた。
「あ、お疲れさまです。時間はあります」
「じゃあ、わたし、入り口の前で待ってるから」
佐伯さんはそう言い置いて、手を軽く振った。
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