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物色中のカリナそっくりの七人。冷え切った空気の中で、彼女たちは何とか暖を取ろうと解放軍基地のロッカーを漁る。
「何か着る物はないの?」一人が口にすると、別のカリナがあきれたように言った。「ヤダ、女物のビキニしかないじゃない」
「どうして制服が水着なの?」疑問はすぐに車庫の重機からの返答となった。封印木を植樹するためのアームが、まるで生き物のようにカリナたちに襲い掛かる。運転席には冷酷な表情のもう一人のカリナが座っていた。
「お前ら死んじゃえ!」
巨木が振り回され、カリナたちは逃げ惑う。
「ちょっと、いきなり何なの?」
制するカリナの頭上をアームが飛び去る。
「このままじゃ共倒れだよ。だから先に殺る!」
勝ち目はないと思われたその時、一人のカリナが机の上に信号弾を見つけた。勝利を約束するものではないが、撃つ価値はある。信号弾は封印木に命中し、火花を散らして燃え上がった。
すると、不意にルル猫が現れ、炎と共に重機に襲い掛かる。一瞬の出来事だった。火だるまになる重機。消えていく猫たち。助かった女たちは戸惑いを隠せない。なぜ自分たちを猫は見逃したのか。
「これ、かも?」一人のカリナが指摘した。傍の壁に立てかけられた封印木の列。象形文字が刻まれている。「もしかして、魔除け?」
そして、一同の目が天井の壁画に引き付けられる。そこには高床式住居が立ち並ぶ、ルル文明の栄光が記されていた。ルル猫とこの惑星の秘密とは一体...。
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