0人が本棚に入れています
本棚に追加
惑星ルルの古代遺跡「トゥルル」の洞窟内。スカラーカリナが壁画に目を奪われていた。彼女の指は、壁に描かれた星々の配置をなぞる。
パシフィストカリナが近づいて、興味深げに尋ねた。「貴方、これ解読できるの?」
ヒーラーカリナが間に入った。「わたし、知ってます。この惑星みたいな模様はルルビーです。」
「ルルビー?」パシフィストカリナが疑問を投げかける。
ヒーラーカリナは首からルルビーのペンダントを外し、掌に乗せながら説明した。「ええ、わたし、パワーストーンを集めてるんです。これ、癒しのエネルギー結晶、ルルビーのお守りです。」
スカラーカリナが深い洞察を加えた。「その特大級が周期的にめぐってくるのよ。」
「何のために?」パシフィストカリナが問う。
「壁画のとおりよ。ルル文明は高床式住居だった。巨大彗星ルルビーが洪水をもたらすからよ。」スカラーカリナの声は重々しかった。彼女の目は壁画に描かれたルル文明の人々が生きる様子に留まっていた。
そして、彼女たちは理解した。惑星ルル全土は周期的に洪水で洗い流され、それが生命のリズムとなっていた。遺跡は、その事実を知る者たちにとっての聖域であり、解放軍がここを避けたのも、この壁画に記された古代の知識と敬意からだった。
「解放軍は洪水の周期を知っていたのね。だから、この聖域をそのままにしていたわけね。」ヒーラーカリナが静かに付け加えた。
パシフィストカリナは頷きながら、ここが惑星ルルの過去と未来を結ぶ重要な鍵であることを知った。
最初のコメントを投稿しよう!