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「ん?」
「これ、期待…していいやつ?」
渡したチョコを少し掲げて、そんな事を言った彼。たちまち背中を…押されたような気分になった。
閉ざしていた口を私はゆっくりと慎重に開ける。
「……あの、、さ、私…、須藤の事がす───…」
そこまで言いかけた所で優馬は慌てたように私に両手を伸ばした。
「あっ、まって!」
「えっ…?」
「俺から言いたい」
阻まれてしまった告白の矢先。
彼の口から出たのは私が望む言葉で…
「俺、九条が好きだ」
その言葉を言われた時、心臓がドクン!と大きく揺れて、たまらず彼に抱きついた。
「私も須藤が好き」
あの日。
普通に”好き”を伝えた。
ありきたりな告白かもしれないけど、今この世界で私が1番幸せ者なんじゃないか、って心から思った瞬間だった。
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