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「おはよー、って、玲乃顔めっちゃ険しいよ?」
昨日もドタキャンされ、正直私はまだ若干怒っていた。登校してきた友達が私のほっぺをぷに、っと摘む。
「もしかして昨日もデート、ドタキャンされちゃったの?」
友達には最近の優馬との関係が上手くいってない事を常日頃から話していた。
わざわざ話さなくたって今日はもう私の顔から滲み出ていたみたいだ。
「うん……」
「なんか理由あるんじゃないの?」
理由……。
理由なんて山ほど考えた。
だけどやっぱり分かんない。優馬はいつもごめん!って謝るばっかりで用事、の一点張りだ。
「わかんない。でも…なんかさ。私も冷めてきちゃった」
「玲乃…」
やっぱりもう、冷めているのかもしれない。
私も彼も。だけどそれを言葉にしてしまったら本当の終わりな気がしていた。
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