120人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「きゃははは!まじウザいんだよ!」
横切った1年1組の教室で私の友達がいじめを受けていた。
「ブス!」
「消えろ!!」
誰がどう受けとってもトゲのある荒々しい言葉。それを一身に浴びせられているのは中野 楓。
楓は自分の席で俯いてじっと座っていて、それを取り囲むようにおそらくスクールカースト上位者である女子数人がきゃはは、と盛大に嘲笑っていた。楓の髪の毛には生ゴミが付いている。
彼女の机に広げられている教科書には「死ね!」という落書きがされている。酷い有様だった。
「黙ってないでなんか言ってみろよ!」
「……」
机をドン!と思いっきり叩かれ、肩を大きく跳ねらした楓。楓は「やめてよ!」なんて決して言わない。ただ、黙って俯いていた。
「あれやばいよねー、教師も見て見ぬふりだって」
隣を歩くクラスメイトが「あのクラスじゃなくて良かったよね」と言って苦い顔をした。
うちの中学は3つの小学校から集まっていて、そこからクラスは程よくバラけるように編成されている。
最初のコメントを投稿しよう!