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楓がガードレール下にそっと花束を置いていた。…疑問が走る。
どうして泣いてるの?
その花束なに?わざわざ私の為に用意してくれたの?
どっかの花屋で買ってきたの?
目の前にいる楓の姿に胸がピリピリと痛んだ。
だって…、泣くことないじゃん。
だって、私は…、あの時…、
ーーごめん、急いでるから
楓を無視したのに。
いじめを見て見ぬふりしたのに。
…気がつくと私の方が楓よりも泣いていた。
「かえで…っ、ごめん…ごめんね…っ」
それはもう…届かない声だった。
「ごめん…っ、」
それでも何度も謝った。
どんなに悔やんだって、もう遅いのに…。
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