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今でもレアが出た時の胸の高鳴りは健在していて、当時と同じようにはしゃいだ。
今じゃ、このゲーム機、稼働終了しちゃって世界中どこへ行っても出来ないからなんかいい夢だなぁ…。まさに夢の夢だ。
トントン
レアに喜んでいる私の肩がその時、後ろから誰かに叩かれた。振り返った私は思わず息を呑む。
あ…、楓だ…。
そこに立っていたのは楓で、向こうも私同様姿が小学生だ。顔立ちも幼い。
一瞬、今日の帰り際の事を思い出し、気まづく思ってしまったけれど、楓が異様に明るい声を響かせた為、思考はそっちに持っていかれた。
「あ、もしかしてそれって、今月のレア!?すごい!いいなぁ〜【ハッピー&リズム】、私も好きなんだ!」
そのセリフを聞いた時、私はハッとした。
そうだ。楓との出会いはここだった。
小学校でも中学校でも1度度も同じクラスになった事がなかった私達。
そう。接点はここだったのだ。確か初対面なのに、【ハッピー&リズム】の話題で盛り上がって、それで友達に…。
もしかしてこれ…
”私と楓が友達になった時の夢?”
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