プリファレンス・ラヴ

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恥ずかしい! めちゃくちゃ恥ずかしい!! (どうしよう、どうしたらいいの?!) そんなことばかりが頭の中をグルグル回っていた。──が 「そこに……つけ込んでいいだろうか」 「……は?」 突然寺島先生が何の脈絡もない言葉を発した。 「白衣フェチだという君の嗜好につけ込んで告白してもいいだろうか」 「……こ、告、白?」 「あぁ。つまり俺は……ずっと君のことが……その、気になって──いや、す、好きなんだ」 「えっ?!」 「いつも明るい君の笑顔に癒されていた。だけど意識すればするほど声を掛け辛くて──照れ隠しでつい無愛想になってしまっていた」 「……」 (寺島先生が変に無愛想だったのってそんな理由からだったの?!) その見た目に反して、あまりにも子どもじみた理由に開いた口が塞がらなかった。 「だからお、俺と付き合って欲しい!」 「!」 いきなりの告白。本当にいきなり過ぎてどう答えていいやら解らない。 ──でも、先刻からドキドキが止まらない。 白衣姿の寺島先生を見ていると堪らなくって…… 「……はぁ」 「田畑さん?」 「せ、先生ぇ……」 告白の返事をするよりも前に思わず寺島先生に抱きついてしまった。 「!」 「体……が、火照って仕方がないんです……。どうしよう……これって病気、ですか?」 「っ、病気ではないよ。その……俺の白衣姿で一時的に性的興奮が高まっている状態なんだと」 「あぁ……やっぱり……」 好きな人と白衣──という相乗効果は絶大だった。
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