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涙くん、、、
僕は昼休み、屋上にいた。
僕に安全な居場所はないからだ。
僕は屋上で一人、弁当を食う。
僕は弁当を食べる友人もいない。
だから一人屋上においた。
すると隣のクラスの愛妃ちゃんがやってきた。
愛妃は、小学校から一緒の女の子だ。
幼稚園から柔道をやっていて、中学でも柔道部だ。
僕に愛妃が言う。
「おう、泰史、あんたもいたの?」
「ああ。まぁ」
「元気ないね」
僕は笑う。
「そんなことないよ」
「あんたぁ。虐められているんだろう?」
僕は答えない。
愛妃が僕の隣に、体育座りした。
座ったから、スカートの丈が短いから、脚が隠しきれない。
太ももの中央くらいまで見える。
僕は目を逸らす。
愛妃は、そんな僕を見て笑う。
「私のなんか見ても、萌ないだろ? 筋肉が多いから。脚が太いんだよ」
「そんなことないよ」
僕は、愛妃の膝に、僕の上着をかけた。
愛妃が言う。
「虐められているかどうか、答えたくないなら。答えなくてもいいけどさぁ」
「愛妃は何しに来たの?」
「お菓子食べに来たんだ」
「お菓子?」
愛妃がポケットからお菓子を出した。
「そう。お菓子。誰にも言わないでよ」
愛妃は、お菓子の袋を開ける。
「言わないよ」
愛妃がチョレート菓子を僕に差出した。
「あげる」
「いらない」
愛妃が僕の口に、お菓子を放り込んだ。
「はい、同罪」
「あぁ、ぁ、ぁ」
僕は仕方なく口をモグモグさせた。
愛妃が笑う。
僕も笑う。
「虐められたんだったら、やり返しなよ。まだクラスの数人でしょう? このままだと、増えるよ」
僕は”そうかも”と思う。
「う……、ぅ……」
「まだ虐めてる奴らが少いんだ。今のうちにやり返しなよ」
「僕にはできないよ」
愛妃が僕を脅す。
「エスカレートしていくぞ」
「僕には、やり返すなんてムリだよ」
愛妃が、呆れたように僕をみる。
「泰史は弱虫だなぁ」
僕は身の置き場がない。
「う……ん」
愛妃がニヤニヤしながら言う。
「手伝ってやろうか?」
「え?」
愛妃は得意げに言う。
「私は、男の1人や2人くらい、締め上げて、気絶させられるよ」
「まぁ、確かに……」
愛妃が笑う。
「個別に、締め上げる。まずは誰をやる?」
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