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(畜生。飲み過ぎた…) 最近仕事が忙しくてDom専門の風俗も行ってなかった。 ――――これほど運命の出会いを求めてたって体は正直なんだ、第二性なんてない方が幸せだ。 アルコール効果と、不本意に続いた欲求不満。 まずいな…と思った。 欲求不満で理性を失ったDomが、強いglareを使いSubを襲ったというニュースなんてのは後を絶たない。 いつもより回転率の悪い頭で必死に考えた結果、普段ならば立ち寄らない公園の方に足を向けた。 少しだけ遠回りになるだけだ。そこの公衆トイレで吐いて、公園のベンチで休めばすぐ良くなると――――‥‥ ?なんだ? 一瞬だが公衆トイレの陰から小柄な影が飛び出した…、ような気がした。 (猫か?) そう思ったのはチリんと猫の首輪につける鈴みたいな音がしたからだ。 気になったけど今は優先事項がある。 一刻も早く個室(トイレ)に入りたかった俺は無視しようとした、のだが 「お兄さん」 ―――再びチリンと音がした。 あぁ、猫じゃなくて人間だったのか。 でもなんでだろ…?  後ろの、聞こえた"彼"の方から いい、においがするような…? 「お兄さん?」 あぁきっと彼はおぼつかない足取りの俺を心配してくれているんだ。 「平気だ」と、ゆっくりとした動作で振り返った。 あ?足、 裸足… なんで? 何故か俺の視線の先には、街灯に照らされた白い素足があった。 「ねぇ、お兄さんDomのヒトですよね?」 くらくらする目線をあげると、白い肌に小さな鈴の付いた首輪 二重で、小柄で… ふわふわした黒髪… 年は二十代前半か、若くて可愛らしい顔した青年がいた ただし彼はシャツどころかパンツすら穿いていない 「は?」 彼は素っ裸の――――――― 変質者だった。
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