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おはよう、アイ
月曜日の朝。
トントン、カリカリ、と窓のほうから小さな音がして目が覚めた。
この音は知っている。
私を呼んでるんだ……。
まだ半分眠りながらも理解して、私はそろっと目を開ける。
私が起きたのを悟ったかのように、音はカリカリッともう少し強くなる。
まったく、せっかちなんだから。
まだ……えっと、朝六時?
だいぶ早いんだけど。
時計に視線をやって、針が指している時刻を確認する。
苦笑してしまった。
でも起きてしまったのだし、呼ばれているのだから仕方がない。
私は布団をめくり、ベッドから降りた。
夏の終わり、早朝は少し冷える。
私は椅子にかけてあった、薄手のカーディガンを肩からかけた。
そうしてから窓に近付く。
カーテンをシャッと開けた。
眩しい朝日が溢れる、窓の外に見えたのは……。
「おはよう、アイ」
私が窓も開けて、きちんと向き合い、名前を呼ぶと、私を呼んできた『彼女』は体を引っ込めた。
「にゃう」
おすわりをして、まるで「おはよう」と返してくれるような声を出す。
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