ヒロイン、裁く

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「は?」 「え?」  ヒロイン偏差値が低い凡人夫妻は、照れて誤魔化そうとしているのかキョトン顔である。 「アリアお母さまったら以前おっしゃっていたじゃないですか。『ベンが不安になっているところを見るのが好き』と!!」 「は?」 「え?」  は?と言ったアリアお母さまは、頭を傾げ、何のことだか思い当たったのか眉間に触れ頭を抱えた。  え?と言ったベンお父さまの視線が戸惑ったように、アリアお母さまに注がれる。 「今まさにベンお父さまは不安が爆発してますよ!しかも、アリアお母さまが幸せになるならと勝手に早とちりして怯えて震えています!こういうところがアリアお母さまはたまらないと、そういうことなんですね!」  天才ヒロインたる私が理路整然と状況を解説しているというのに、凡人夫妻はそれぞれ顔を覆ってしまっている。 「愛し合う夫婦は仕草まで似てくると聞きますが、本当なのですね」  アリアお母さまにキッと赤い顔で睨まれたが、ニヤニヤと『愛のハンドサイン』を向けておく。照れるなって。
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