はじまり

14/20
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
沖田によって出た犠牲者は放っといて部屋に戻ってきた。 「にゃお(いいの?放っといて)」 『ん?ああ…いいのいいの』 沖田が作った小雪は、障子から見えるところに置かれることになった。 自分がこんなに不細工なのか、それとも沖田の物を作る才能がないのか… 「にゃー(それにしてもひどい)」 尻尾を垂らして落ち込む。 『あれ?どうしました?』 沖田はすぐに変化に気づいて声をかけてくれる。 「にゃー(なんでもないよ)」 『あ…朝餉ですね!はい、どうぞ』 そっと目の前にご飯が置かれる。 「にゃ⁉(ご飯だぁ)にゃー(美味しい)」 置かれたご飯に飛びついて顔を汚して食べる。 『ゆっくり食べないと、身体に毒ですよ』 沖田は届かないように持ち上げる。 「にゃー(私のご飯が〜)」 ピョンピョン跳ねて、なんとかして届かせようと頑張る。 『小雪、“待て!”ですよ』 沖田は“めっ”と言いながら指をさす。 「にゃーん(お腹すいた〜ご飯、欲しいよー)」 にゃぁにゃぁと鳴いて沖田に伝える。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!